いかにして調査が始まったか

そもそも、日本の歴史など並みの知識しかない。

史学をかじれば、口碑や信憑性の低い資料・史料の検証の厄介さも想像
がつく。

しかも我が家は、カネを積んで体の良い家系図を「想定」してくれる「山梨
名家録」にあるような名家名門でもなさそうだし、江戸期で長らく百姓・商人
であったようだから、記録を探るにも500年はタイムトリップしなければなら
ないだろう。

いきなり、大河ドラマの中に出てくるような戦国時代に、どっちみち無名だっ
た先祖様の痕跡を求めるわけだから、大変なことである。

日本史オタクの人たちからすれば笑止な調査作業かも知れないし、また、
今回調べた山梨の佐野家とは縁もゆかりもない人々からすれば、まったく
「どうでもいい」ことだろう。

でもまぁ、少しだけ面白いし、誰にでも可能な「ルーツ探索」ガイドにもなる
し、こちらとしても、ペーパーベースで記録を保管しておくよりも便利だし、
そんなわけでHPを作った次第。

途中、結構退屈すると思う。他人の家系の詳細なんて、どんなにヒマな人
でも読んでて面白くないはずである。そんなことはお構いなしなのがこの
HPの主旨。



先祖が無名だったとか言う前に、自分自身が現代で充分「無名」であるわ
けだが、そんな無名な自分が、ちょっと社会的地位の高かった祖父をもっ
ていた。フランスなら「シュヴァリエ」(士爵)というところだ。

だから、佐野家の次男坊で勝手気ままに生きて、進学校に進んでいた兄と
は別で、二流三流の学歴を積んでいた私が、ある日、そんなシュヴァリエ閣
下に「佐野家の先祖を調べよ!」と申し渡されたときは、かなりビビッた。

さしずめ、ルイ14世の御言葉を直に賜った下級廷臣のザマである。

「おまえは史学を学んでおると聞く。さらば、我が先祖の系譜をその才をし
て調べるがよい」と言われたようなものだ。

おいおい、史学って言っても、オラは西洋史・近世フランス史専攻だぜ!!

・・・なんて異論を差し挟む余地などない。

たまたまフランス貴族家系については、日本でも屈指の超オタクで6000以
上の貴族らの調査をしている変態レベルの私は、「肝心な自分の先祖」を
調べていないことに気づいた。(そもそも無関心だったのだが)

父・兄、ともに理数系だったこともあり、「洋の東西を問わねば」この件は私
が適任者であることは間違いない、と意気込んだ。

で、シュヴァリエ閣下に「やって見ます」と。

その後、ルイ14世は崩御、否、祖父は亡くなって、このことは私に託された
遺言みたいなものになったわけである。

さっそく、フランス貴族家系6000名を調査している私が書店に出向いて買
ったのが「家紋の歴史入門」¥500


・・・・ともかく、こんな調子で始まったのがこの話である。



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